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令和の夏は"冷やし麺"がアツい!

2026.08.31

令和の夏は"冷やし麺"がアツい!

2026年の夏、エルニーニョ現象の影響により、一部地域では気温が下がり過ごしやすい冷夏となりました。

とはいえ、暑いだけではない日本の夏。ジメジメとした湿度の中、キッチンに立って料理を作るのはめんどくさい!そんな日に、簡単・手軽・さっぱりつるっとひんやり食べられる【冷やし麺】はいかがでしょうか。

 

皆さんは【冷やし麺】と聞かれてどんな料理を想像しますか?

日本だけではなく世界にはその土地の気候や文化、歴史を映し出す"知恵と工夫"が、一杯の器に詰まっています。

まずは夏の定番「冷やし中華」。

その名称を聞くと、中国から伝わったと思われがちですが、実は日本発祥の料理です。

ラーメンのような温かい麺料理は夏場になると客足が落ちてしまう傾向にあるため、経営上の課題を解決するために中国料理の涼拌麺(りゃんばんめん)をヒントに開発された料理とも言われています。

涼拌麺(りゃんばんめん)は油を絡ませた中華麺に筍や椎茸、チャーシューなどの具材を乗せて胡麻だれや辣油を使った濃厚な味付けですが、冷やし中華は細く切った胡瓜や錦糸卵・ハムなどを放射状に彩り良く盛り付けて、湿度の高い日本でもさっぱり食べられるように甘酸っぱいタレをかけるスタイルが特徴的で、日本料理のような“視覚的な美味しさ”を意識しており、昭和初期にこのスタイルに定番化したという説があります。

また冷やし中華には、“からし”を添えてあり、甘酸っぱいタレに少しずつ溶かしながら食べるのも美味しいですが、東海地方ではからしではなくマヨネーズをかけて食べるそうです。

各家庭に当たり前にある調味料の一つなので、この夏挑戦してみてはいかがでしょうか。

また最近食料品店で、混ぜるソースなどの種類も増えている「冷製パスタ」。

「冷製パスタ」は本場イタリアのシェフが、来日した際にざるそばを見て着想を得て生まれたと言われています。茹で上がったパスタを氷水でキュッと冷やすのは何と実は日本だけ。

暑い季節のイタリアでは氷水や冷蔵庫で冷やした状態にするのではなく、常温(室温)まで冷まして具材と和えて食べるのが主流だそうです。

というのもお米のようにパスタにも種類や茹で方、硬さや細さ・長さに各々のこだわりや好みがあります。最高の硬さに茹で上がったパスタを水で洗って冷たくするというのは、日本人にとって“産地と水にこだわって、直火で炊き上げたホカホカの白米を水で洗って食べる”と同じぐらいのカルチャーショックだったのか、最初はあまり受け入れられていなかったそうです。しかし実際に食べてみると美味しい、暑い季節でも食べやすい、加熱しなくても美味しい組み合わせの具材などアレンジの幅が大きく、だんだんと受け入れられるようになったそうです。

暑い季節には手軽なパスタソースや、火を使わないでトマト缶・トマトジュースなどを使って冷製パスタを作ってみるのはいかがでしょうか。

一方お隣の国、韓国には日本でも馴染みのある「冷麵」があります。

そば粉やさつま芋でんぷんで作られていて黒っぽい弾力がある細麺は、牛骨や水キムチのうま味が溶け込んだ冷たいスープで味わう「水冷麵」、ピリ辛のコチュジャンベースのタレを絡める「ビビン冷麺」など様々なアレンジを加えて食べられます。

また韓国には、もうひとつ"知る人ぞ知る夏の定番の冷やし麺があります。それが「コングクス」。

韓国語で「コン」は豆、「ククス」は麺のことを言い、大豆やソリテという黒豆をすり潰したスープを冷やして、そうめんや平打ち麵に絡めて食べます。

もったりとしていてクリーミー、なのに豆本来の香ばしさも感じられるコングクスは、大豆を一晩水に浸けて……鍋で茹でて………すり潰して……と、一見時間と手間がかかりそうに思われますが、豆腐や豆乳で代用できる簡単アレンジレシピがあります。

絹ごし豆腐を泡立て器で滑らかになるまで混ぜて、無調整豆乳をお好みの滑らかさになるまで少しずつ加え、ピーナッツバターやアーモンドなどのナッツ類、胡麻などを加えることで香ばしさやコクがアップします。味噌を加えても馴染みのある味で、美味しく召し上がれます。

このレシピの良いところは、(麺を茹でる以外は)火を使わない事、まだまだ暑さが続くこの季節、食べる側も作る側もうれしい料理です。

コングクスは大豆や豆乳が主役なので、夏場に不足しがちなたんぱく質やミネラルをしっかり補給できます。また大豆イソフラボンは、夏の強い紫外線によるメラニン生成の抑制や、冷房と暑さで乱れがちな自律神経やホルモンバランスのサポートに大きく役立ちます。

 

砂糖を少し加える地域もあり、「あなたの家は塩派?砂糖派?」と議論が交わされることもあるとかないとか。正月に食べるお雑煮のように、地域や家庭の個性が表れる料理でもあります。

暑さだけではなく湿度も高い夏、食欲が落ちて何も食べたくないそんな時になめらかですーっと胃に届いてくれるコングクスは、古くから伝わる食べやすさと栄養バランス、健康と美容効果にも働く昔ながらの伝統料理です。

       筆者が週末実際食べてきたコングクス。美味しかったです。

ご紹介した料理はほんの一部で、世界中にはもっとたくさんの冷やし麺があります。

発酵食品でうま味を加えたり、夏に不足しがちなミネラルやたんぱく質を補ったり、ハーブやスパイスの香りで落ち込んでしまった食欲を呼び戻したり。それぞれの国や地域で、「暑い夏をどう乗り切るか」を考え抜いた先人たちの知恵が、夏の一杯を生み出しています。

今年の夏は、いつもより少しだけ視野を広げて、【冷やし麺】の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

・参考リンク

(冷やし中華の歴史)https://cookpit.jp/local-ramen-guide/gotochi-list/hiyashichuka/ra01/

(コングクスレシピ)https://www.k-tounyu.jp/soytopics/9047/

 

商品部 著

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